畑田ワールドの最高傑作「まほろば」―第20回記念ミレー友好協会展―

中尾浩巳

ミレー友好協会展はフランスの画家・ジャン=フランソワ・ミレーの活動と精神を知り、芸術を通して日仏文化交流を促進しようとするもので、今回は20回記念としてフランス本部招待作品はじめ洋画、日本画、彫刻、工芸、書、写真などの各分野に多数の作品が展示されていた。いずれも自然を愛でるミレー愛好作家による作品を中心にしているので、自然をテーマにした力作が揃っていた。館内は平日であったこともあり比較的来館者も少なくじっくり鑑賞することが出来た。

畑田さんは「まほろば」「藤衣」の2作品[工芸]を出品され、「まほろば」が公募最優勝賞を受賞された。この作品は、畑田さんが2010年11月、大阪市立大学創立130周年の有恒会記念行事として、平城京跡(大極殿)、東大寺、奈良公園など晩秋の大和路を訪ねた時の追想をもとに制作されたという。

美しい山並みに四季折々多彩な風景が展開される豊かな自然環境を有する奈良、時空を越えて知恵と慈悲の光明を遍く照らしているという東大寺大仏(毘盧遮那仏)の宇宙感、そして地球のすべてを照らし恵みをもたらす太陽をモチーフにして、「倭は国のまほろば たたなづく青垣 山隠れる 倭しうるはし」の世界を、被せガラスで見事に表現されていて大変感動した。

畑田さんがこれまでの創作活動で大切にされてきた四季折々の自然、宇宙、芸術、和の心、コラボレーションなど・・・それらの集大成ともいうべき最高傑作が「まほろば」なのではないかと思う。

「自然は神の服装なのよ」と、帰り際に、ふとつぶやいた言葉が今も耳から離れない。自然をこよなく愛する畑田さんならでは語れない味わい深い言葉である。


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