第2回銀座個展あれこれ
                                           畑田美智子

2009年8月17日〜22日銀座の“アートギャラリー銀座”にて開催する。画廊よりの要望の企画展であったので急遽暑い最中の会期となってしまう。作品の準備は羽曳野の個展を参考にして大体の目途はすぐについたが、心の準備というかなぜ開催するのか、どういう意図でするのか、なかなかはっきり見えてこなかったが強く希望されての企画展なのでとにかくやってみる事にする。大変な時期の搬入、お盆休み明けという日本中大移動の直後だったので搬送の手段には少々気を使ったが何とか無事家族の全面的協力で搬入できた。やれやれ一段落。

展示のプランはきっちり事前に立てていたので大体予定通りに収まり特にアクシデントはなかった。

 いつも四季折々の自然をテーマにしているが、今回はそれに「和」と「心」を加え、お茶碗や行灯を取り入れて和の雰囲気を出してみた。

第一日目のファーストバッターには大阪から学会に来られていたM教授がひょっこり訪ねて見え、懐かしい顔にこちらが驚いてしまった。午後からのオープニングのレセプションには20数人の参加があり丁度程よい談話可能な人数で団欒することができた。メインゲストのルーマニア大使をはじめ、ルーマニア関係者、同窓会のメンバーで大阪より上京の平塚氏や東京のメンバーなどが集まった。先ずネアグルーマニア大使の音頭で祝杯を挙げ、その後はそれぞれ初対面の人達も談笑し、作品を鑑賞したり、食べ物を楽しんだりして、静かに時は流れていった。外はすっかり日も暮れ、ギャラリーの内部の照明がますます輝きを増し、人たちのさんざめきと共に至福の時は過ぎて行く。これだけの人たちが一堂に会したのだから記念写真を撮ってはと言われ、会場風景と集合記念写真を撮る。5日間の会期中もいろいろな人たちが見えたが、3年前の銀座での個展とは会場の違いもあり、雰囲気も変わっていた。時期的には大変忙しく疲れも出る盆明けであったので、道行く人の多いわりには、足をとめる人は少ない。暑さのせいもあって、誰もが忙しく目的地に急いでいる風であった。

 案内DMのはがきを持って暑い中銀座の中心とはいえ、わざわざここまで観るために来て下さった人たちには感謝、感謝。とにかくガラスの美しさに堪能し、被せガラス芸術についての説明に感激していただいた。

さすが銀座、目利きの人はサントリー美術館の土屋氏はじめ、ぞくぞくとはいえないが、ぼつぼつと見える。いろいろな意見や質問を受けたが、非売品だというと、せっかくの作品を評価してもらうためにも販売を考えてはと勧められた。販売した方が、作者のグレードの評価が高くなって、プロ入りするということなのだろう。最後に印象に残ったのは、上品な年配の女性が、この近くのマンションに独り暮らしをしているが、こういう美しく光る作品を見るのが唯一の楽しみということ、今日は急いでいるのでゆっくりと見られなかったけれど、この映像は心からは消えませんと名残惜しげに去っていかれたことである。

心のいやしや励みとなる作品は光の効果も大きいとは思うが、私の描く風景や自然の花が何か懐かしくノスタルジーを感じさせるのか貴女の作品からは気が大いに感じられますねと、ある人に感慨深げにいわれた。


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